ボトックス ミラドライ ワキガ

脇の臭いが気になる方へ!ワキガのケアと病院での治療方法を教えます。

 こんにちは。秋葉原スキンクリニックの堀内です。

 脇の臭いが気になる日本の方も増えつつありますね。脇が臭う症状のワキガには様々な悪化要因があります。その原因の多い少ないによって、ワキガ体質があってもニオイが少ない人もいれば、洋服にしみついたニオイが気になって仕方ない人や、周りの人に指摘されるほどの人もいます。

※ワキガの原因・悪化要因については美容ソムリエバックナンバー「もしかして脇が臭い?誰にも聞けないワキガとは。その原因と予防方法。」を御覧ください。

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 ワキガは汗が増える夏のほうが気になる。と思っている方も多いと思います。でも実は冬の方が悩みが大きい人も。

 夏の洋服はすぐ洗えるTシャツ、Yシャツが多いですが、冬になるとセーター、ブレザー、コートなどを着用しますよね。それらにニオイが一度付いてしまうと、簡単に洗濯に出すことができず、汗は濃縮し、ニオイの成分だけが残っていきます。下着やシャツをきれいなものに替えても、上着についたニオイはそのまま。また、普通のクリーニングに出しただけではニオイが取れていない!なんてことを体験した方もいるはずです。

 今回は、ワキガで悩む方に向けて、自分でできるセルフケアや病院での治療方法についてお話させていただきます。

脇の臭いが気になる人にオススメのワキガケア

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①デオドラント製品で汗の量を減らす

 ニオイが軽く汗の量が多い方向けのケアとして、一番簡単なホームケアは制汗デオドランドを使用すること。薬局などでは沢山の制汗デオドラント製品が販売されています。臭いの原因となる汗自体が減ることで臭いも減る可能性があります。ただし完全に汗を抑えることは難しく、製品によっては衣類の摩擦や汗でとれてしまうので一日数回使用しなければいけない場合もあります。

 比較的臭いの強いワキガ体質の方は、デオドラント製品の香りとワキガの臭いが合わさることで、逆に臭いが強化されることもあるのでご注意を!

 病院で処方する汗の量を減らす薬として、塩化アルミニウム水溶液(保険適応外)というものもあります。この薬剤は汗腺に炎症を起こし物理的に変性させることで発汗を抑えます。副作用としてカブレがあるため、高い濃度のものは痒みを感じる人もいます。夜に汗の気になる部位に塗布し朝シャワーで洗い流したり、直接塗布ではなくコットンなどにとって塗布するなどの工夫が必要になる場合があります。

②脇の臭いの原因菌を殺菌して減らす

 ニオイが強い人にも軽い人にもおすすめなのが、殺菌作用のあるデオドランドの使用や抗菌作用のある外用剤の使用です。
 
 ワキガの細菌が増えることでニオイが強まるため、抗菌・殺菌作用のある成分を使用することでニオイが減ります。

 商品を選ぶ際におすすめの成分は、ミョウバン、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノールや薬用植物の甘草からつくられる自然由来の成分であるβ-グリチルレチン酸です。

 特にミョウバンは昔から使用されているデオドラント剤で、水に溶けると酸性になり、アルカリ性を好むニオイ菌の繁殖を抑える作用があります。
 
 また、処方薬としては抗生剤のナジフロキサシンクリーム(アクアチムクリーム®)も効果があります(保険適応外)。ただし、こちらは長期使用すると他の常在菌とのバランスを崩すこともあるため注意が必要です。

③汗の質を変えて脇の臭いを抑える

 ニオイの強い人や急にニオイが気になりだした方。もしかしたら食生活に原因があるかもしれません。

 ニオイの元になりやすい肉食中心の食事やカレーなどのニオイの強い食事が多い時は食事内容を見直しましょう。バランスの良い食生活はカラダを整えるだけでなく、ワキガも改善させる可能性があります。
 
 その他にはストレスの低減、禁煙などが効果的です。
 
詳しくはワキガの原因・悪化要因については美容ソムリエバックナンバー
「もしかして脇が臭い?誰にも聞けないワキガとは。その原因と予防方法。」を御覧ください。

④皮膚の善玉菌を増やす

 善玉菌というと腸のことを思い浮かべる方も多いと思いますが、皮膚にも善玉菌・悪玉菌と呼べる菌が存在します。悪玉菌が増えることでニオイも強まる可能性があるので、いかにこれを増やさないか。これがケアのPOINTになります。

 悪玉菌はアルカリ性を好むため、皮膚表面を弱酸性に保つことで悪玉菌の増殖を防げる可能性があります。そのため、入浴の際には弱酸性の石鹸を使用することもオススメです。ただ、弱酸性の石鹸は洗浄力が弱く、洗いあがりがすっきりしない感じがするのが難点ですが・・・。

  脇のニオイが気になるからといって、洗浄力の強いアルカリ性の石鹸(石鹸はアルカリ性のものがほとんど)でゴシゴシ擦ることは、逆にワキガにはあまり良いことではないことも知っておいてください。

⑤臭いにくい材質の洋服を着る

 ナイロンやポリエステルなどの化学繊維を使用した洋服は、綿や麻などの天然繊維の洋服に比べてニオイが強く感じられます。化学繊維は汗を吸収せず、高温多湿環境を作りやすいため、悪化原因となる雑菌が増えやすい状況を作ります。

 最近流行っている速乾性の化学繊維の洋服なら大丈夫か?というとそうでもないようで、汗の水分は外に逃がすのですが、ニオイのもとは繊維に残留して濃縮するため臭いが強くなる可能性があります。

 綿や麻、絹などの天然繊維の洋服のほうがニオイが残りにくいので、洋服を購入する際は、素材を見てから購入しましょう。

⑥禁煙する

 タバコに含まれるニコチンは中枢神経を刺激する成分で、それによってエクリン腺からの汗の分泌量を増やします。それによってアポクリン腺から出た臭い汗が広がってしまい、雑菌の増殖も助長します。

 また、ニコチンは交感神経も刺激することがあるため、それによりアポクリン腺が刺激され、臭い汗が増加し、結果としてさらにワキガが悪化してしまいます。禁煙によってこれらの悪化原因を回避できる可能性があります。

病院でのワキガ治療。いったいどんなものがあるの?

 ・いろいろなホームケアを試したけれど効果がなかった。
 ・ホームケアで多少効果があるけど毎日毎日のケアが面倒くさい。
 ・普段のセルフケアから開放されたい。

などと思っている方も多いと思います。ホームケアの次のステップとして病院でのワキガ治療があります。

①汗腺切除手術

 昔から行われている治療の一つに手術があります。
 
 脇の下をメスで切開し、皮膚を裏返して汗腺を切除していきます。医師が目で見て汗線を取り除くため、効果が高く再発も少ない治療方法です。当院でもこのやり方で治療をしています。保険適応ですので、片脇20000円弱で治療が可能です。ただし、傷跡が残ること、術後の皮膚の圧迫ケアが必須であること、術後の腕の安静が必須であることから、誰にでもおすすめの治療方法というわけではありません。
 
 例えば、常に運動をしなければいけないスポーツマン、肉体労働の方、小さなお子さんがいて抱っこなどをしなくてはいけないお母さんなどは傷が落ち着くまで安静にしなければいけないため、スケジュールの調整が必須です。逆にデスクワーク程度であれば、術後も仕事が可能です。
   
 手術の中には小さく切開をし、細い棒のような機械を皮下に入れ、汗腺を取り除く治療方法もあります。こちらは保険適応外のことが多く、費用は各施設によって異なります。比較的値段は高い場合が多いようです。

②ボトックス®注射(ボツリヌス毒素注射)

 手術は怖い。スケジュールの調整ができず手術に踏み切れない。そんな方にはニオイの原因となる汗の分泌を抑えるボトックス®注射(ボツリヌス毒素注射)という方法もあります。

 ボツリヌス毒素という名前はなんだか怖い感じがしますが、治療で使用する薬剤は毒性を排除していて、さらに食中毒になる可能性がある量は30,000単位もの大量投与の場合とされています。この治療で使用する100単位程度ではその心配はありません。

 治療方法は、数カ所に分けて少しずつまんべんなく薬剤を注射していきます。注射自体の治療時間は5分程度。表面麻酔を併用すると約1時間程度の治療になります。

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 使用する薬剤はボトックス®、ボトックスビスタ®、ニューロノックス®、リジェノックス®など多数のボツリヌス毒素製品があり、病院によって採用薬が異なることがあります。(当院では非常に厳しい管理の下、無菌状態で製造・保管されており安全性・信頼性が高く安定した治療効果が得られるALLEGEN[アラガン]社のボトックスビスタ®を使用しております。)
 
 この治療での懸念点ですが、アポクリン腺からの汗もエクリン腺からの汗も両方とも抑えてしまうことです。え?両方抑えたほうがニオイも汗も減っていいじゃない。と思われた方もいると思います。この意味は、両方抑えるデメリットとして、アポクリン腺からの臭い汗がエクリン汗で流されることでニオイが薄まるという生理的効果がなくなってしまうということです。
 
 残念ながらボトックス®治療(ボツリヌス毒素注射)は治療後3ヶ月くらいから徐々に効果が落ちてくるため、少しずつ汗をかき始めます。その頃から臭い汗も分泌されてくるのですが、臭い汗を流せるほどエクリン汗がでていないとニオイが留まってしまうため、ワキガ臭が少し気になる。という声も聞かれます。

 ただ、侵襲が大きい手術をせず数分の簡単な治療でしばらく効果が実感でき、効果が落ちてきた頃に再度注射をすればすぐに効果が戻るこのボトックス®治療(ボツリヌス毒素注射)は女性中心に人気の治療です。

③マイクロ波治療法

 皮膚にメスを入れず、マイクロ波エネルギーによりを皮下にある汗腺を熱変性させ発汗を抑える治療です。
代表的な治療機器は「ミラドライ®」。

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 局所麻酔の注射をしたあとに、ハンドピースを少しずつずらしながら照射していきます。マイクロ波が当たった部分は熱を持ち汗腺を破壊していきますが、皮膚表面の温度が上がり過ぎてダメージが出ないようにしっかりとしたクーリングシステムが搭載されています。

 治療後は数日むくみと炎症が続きますが、徐々に落ち着いてきます。一度の治療で効果を感じた後、再発がなければ治療は1回で終了ですが、症状が強い方は2回目の治療を検討することがあります。保険適応外の治療ですので、施設によって価格は異なります。通常2回目は1回目より安い価格で治療を行う施設が多いようです。

 ちなみに、私も脇汗ケアとして当院採用のミラドライを行った一人ですが、夏の脇汗ジミは格段に減り快適に過ごしています。

④フラクショナルRF治療法

 皮膚に細い針を刺し、その先から高周波を発生させ、汗腺を熱で破壊する治療法です。

 代表的な治療器は「ビューホット®」。

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 局所麻酔の注射をした後、細い針が付いたハンドピースを少しずつずらしながら治療部位に当てていきます。皮膚表面を保護するため、クーリングのシステムが搭載されています。

 ハンドピースが小さいため、乳輪や陰部のニオイに悩む方にも治療ができることが利点です。こちらも保険適応外の治療です。

まとめ

 脇の臭いに悩む方は、まずは自分の生活習慣を見直し、簡単にできるホームケアから始めてみてはいかがでしょうか。症状が強く、ホームケアでは症状が改善しない場合、ワキガ治療をしている病院でのカウンセリングもおすすめです。保険治療、保険適応外治療など、様々な選択肢を知った上でご自分に最適な治療方法を納得して選択されることが重要です。

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著者について

秋葉原スキンクリニック院長 堀内 祐紀

秋葉原スキンクリニック院長 堀内 祐紀

東京女子医科大学出身。東京女子医科大学病院、都内美容皮膚科クリニック勤務を経て、2007年4月に秋葉原スキンクリニックを開院。
(所属学会)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本脱毛医学会理事
日本皮膚科学会・日本美容皮膚科学会・日本レーザー医学会・日本肥満学会・日本抗加齢医学会・日本香粧品学会 所属
Allergan Medical Institute Jpan Trainer
Aケア協会アドバイザー