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夏のレジャーは虫さされに注意!皮膚科医が教える、虫さされの対処法について

夏のレジャーは虫さされに注意

こんにちは! 秋葉原スキンクリニック 副院長の矢田です。

衣替えも終わり、梅雨が過ぎれば本格的な夏がやってきます。
キャンプやハイキングなど、アウトドアの楽しい季節ですが、その時に注意しなければならないのが虫さされ…
薄着になる夏は、肌が無防備になりやすく、露出した皮膚は虫の標的となります。

虫さされ「虫刺症」ともいい、虫に刺されたり咬まれたりして起きる、皮膚の腫れや赤み、痒みのことです。
症状が長引くと、黒ずんだ跡として残ることもあり、夏の間中消えないなんてことも…

大切なことは、予防と早めの治療です。
正しい知識を得て、夏のアウトドアを楽しみましょう。

虫さされの原因になる虫の種類は?

虫さされの原因になる虫は、大きく、「血を吸う虫」、「刺す虫」、「咬む虫」に分けられます。
「血を吸う虫」としてはカ、ブユ、アブ、ノミ、ダニ、ツツガムシ、トコジラミ、「刺す虫」としてはハチ、アリ、「咬む虫」としてはクモ、ムカデが代表的です。
また、虫さされとは少し違いますが、ケムシやハネカクシは、触れることで赤みや痒みをおこすことがあります。

皮膚にはどんな症状が出るの?

虫さされによる主な皮膚症状は、痛み、痒み、腫れ、赤みです。ひどいと水ぶくれになることもあります。
虫が皮膚を刺したり咬んだりすると、虫が持っている物質(毒成分や唾液成分)が皮膚に注入されます。その物質の物理的な刺激や、その物質に対するアレルギー反応が起きることで、皮膚に赤みや腫れ、痒みが生じます。
アレルギー反応には、即時型反応(すぐに起こる反応)と遅延型反応(ゆっくり起こる反応)があるため、虫さされの症状は、直後から出る場合と、刺されてから少したった1~2日後に出る場合があり、直後と1~2日後の両方に症状が出ることもあります。
これらの反応は、虫に刺された頻度や体質によって個人差が大きいのが特徴です。

全身に症状が出ることもある? 刺されると危険な虫は?

猛毒を持つ虫は日本にはほとんどいませんが、体質によっては刺された後に強いアレルギー反応が起こることもあり、全身に蕁麻疹が出たり、ひどい時は呼吸困難や意識消失などのショック症状(アナフィラキシーショック)を起こす場合もあります。
特に注意が必要なのはハチで、刺されて30分以内にアナフィラキシーショックを起こす体質の人もいます。

最近ではセアカゴケグモやヒアリのような外来種も確認されており、これらの虫は毒性が強いため、刺されないように注意してください。
また、虫の中にはウイルスなどの病原体を媒介するものもあります。すべての虫に病原体がいるわけではありませんが、ウイルスなどの病原体を持っている虫にたまたま刺されてしまうと、感染症を発症する可能性があります。
マダニ(ライム病、日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群など)、ツツガムシ(ツツガムシ病)、ヤブカ(デング熱など)による感染症は、日本でも報告されていますので注意が必要です。虫に刺されて1~2週間で発熱やだるさなど、風邪に似た症状が出てきた場合は、医療機関を受診して経過をみる必要があります。

刺されないようにすることが一番!

虫さされは、刺されないように予防することが第一です。野山や森林で野外活動をするときや、庭仕事のときなどは下記の予防を心がけてください。

  1. 帽子、長袖、長ズボンを着用し肌の露出を避けること。袖や裾は閉じているもの、帽子はつばの広いものが望ましい。
  2. 素足にサンダルは避け、靴下と靴を履いて足を露出させないようにする。草木に触れるときは手袋をする。
  3. 虫よけスプレーをつける。肌の露出しているところはむらにならないようにつけること。汗をかくと有効成分が薄れるため、汗をかいたらまたつけられるように、虫よけは携帯して出かける。
  4. 虫は黒っぽい色を好む種が多いので(特にハチ)、服や帽子は白っぽい薄い色を選ぶ。
  5. 危険な虫には近付かない。
  6. 野外活動や庭仕事の後は、早めにシャワーを浴びる。

 

刺されてしまったときの治療法は?

まず、刺された部分を水で洗い流して清潔にします。腫れや痒みは冷やすことで症状が和らぎます。
症状が軽い場合は市販の虫さされ用の塗り薬で対処するとよいと思いますが、虫さされ部分を掻きこわしてしまうと、その傷からとびひになったり、痒疹(硬くて痒い皮膚の盛り上がり)が残ってしまいなかなか治らない、という事態になることもあります。
そうならないためにも早めの治療が大切です。市販の外用剤で症状が改善しないときや、赤みや腫れが強い場合は皮膚科を受診するようにしましょう。
皮膚科ではステロイド外用薬で治療します。症状の範囲が広いときや腫れが強いときは、抗ヒスタミン薬やステロイドの内服が必要になることもあります。
また、前述のように、虫さされの後にアナフィラキシーショックを起こす場合もあります。蕁麻疹が全身に広がる、血圧が下がる、呼吸が苦しい、気分が悪い、吐き気や腹痛などの症状が出てきたときは、早急に医療機関を受診するようにしてください。その場合は、クリニックや診療所よりも、ショックに対応できるような病院を受診する方が安心だと思います。

それから、ミツバチに刺された後は刺し口に針が残っていたり、マダニは皮膚に数日くっついている場合もあります。ミツバチの針は毛抜きやピンセットで抜き取っても構いませんが、マダニを皮膚から引き抜こうとすると、頭の一部が皮膚に残ってしまうことがありますので、マダニの場合は自分で取ろうとせず、医療機関を受診して処置をしてもらいましょう。

 

虫には刺されないようにすることが第一です。

刺されてしまったときは、適切な治療をして被害を最小限にしましょう。
虫を上手に予防して、夏のレジャーを楽しんでください!

著者について

秋葉原スキンクリニック 医師 矢田 佳子

秋葉原スキンクリニック 医師 矢田 佳子

秋葉原スキンクリニック副院長
東京女子医科大学出身。東京女子医科大学病院、都内や地元静岡の皮膚科勤務を経て、2007年4月より、秋葉原スキンクリニック勤務。
(所属学会)日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会所属
院長堀内より
丁寧なカウンセリングと細やかな治療がモットー。仏のような広い心と忍耐強さ、包容力がすばらしいDr.です。悩める方は矢田Drへ。と患者様だけでなくスタッフからも絶大な信頼を得ています。