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ニキビ跡のケアの方法と皮膚科での治療

 日本人の誰もが一度は経験すると言っても過言ではないくらい、ニキビはありふれた皮膚のトラブルです。

 中学生や高校生の頃の青春のシンボル。などと言われていた時代は終わりました。

 今では、20代30代40代と幅広くニキビで悩んでいる方がいます。そして、赤いニキビの成れの果て、ニキビの後に残る黒ずみや消えない赤み。そしてもっとも症状が重いとされているニキビ後の陥没は長い年月みなさんを悩ませます。

 今回は、ニキビの後の肌に残るトラブル『黒ずみ』についてお話しさせていただきます。

ニキビの後の黒ずみ

 強く腫れたニキビが治ったと思ったら、同じ場所に黒い点が残っていたことはありませんか?

 顔だけではなく、背中やうなじ、胸にもそのような症状が見られます。やっかいなことに、ニキビの黒ずみが残りやすい部位は、ドレスで隠せない場所が多いため、結婚式前の駆け込みケアにいらっしゃる方もたくさん。

 結婚式までに時間がある方はしっかりとケアができるのですが、1ヶ月しかない。となるとできることは限られ私も頭を悩ませます。

 このように大事なイベントの前に慌てないようにするには、常にニキビ治療と共にニキビ後の黒ずみケアを並行して行うことが必須です。

どうしてニキビの後に黒ずみができるのか?

 人間の皮膚、特にアジア人に多い黄色人種の皮膚は、炎症を起こすとその後に黒ずんでしまう人種的体質があります。この黒ずみの本名は『炎症後色素沈着』と言います。

 赤み(炎症)があるうちは見えませんが、赤みが治るとともに黒ずみが顔を出します。そして、赤みが治った直後より、少しの間、黒ずみが徐々に濃くなります。

 その黒ずみの悪化はあるところで止まり、通常は皮膚の新陳代謝で薄らいでいくのですが、同じような場所にニキビを繰り返したり、もともと色素沈着が残りやすい部位にできてしまった場合や色素沈着体質の方、紫外線にあたる機会の多い方などは、かなり長い年月色素沈着に悩まされることもあります。

黒ずみはセルフケアで予防することができるか?

 黒ずみはセルフケアで予防できます。

 まったく黒ずみができないようにすることは難しいとしても、まったくケアをしないよりは遥かに黒ずみが軽く済む可能性があります。病院で治療すると費用がかかりますから、まずは効果的なセルフケアを試してみるのも良いと思います。

1. ニキビの炎症を可能な限り早く抑える

 炎症が強ければ強いほど、長く続けば続くほど、ニキビが大きければ大きいほど、後に黒ずみが残りやすくなります。理想はニキビのなりかけの面ぽう(つまりニキビ)の段階からケアをすることです。

 最近ではディフェリンゲル®、ベピオゲル®といった、予防も兼ねるニキビ治療薬が保険診療で処方できるようになりました。この2種類の外用剤は、継続使用すると、角質が不要に厚くなるのを防ぐため、ニキビのなりかけの面ぽう(つまりニキビ)を予防してくれます。又、炎症が強いニキビとつまりニキビが混在する場合、デュアック配合ゲル®という、ベピオゲル®と抗生剤がミックスされたような外用剤も有効です。
 
 さらに、ディフェリンゲル®やベピオゲル®は、ターンオーバーを早めたり、ピーリングのような作用で黒ずみの排泄を促すことができます。(※黒ずみの排泄については効能には書かれていません。黒ずみのみに対しての保険処方はできないのでご注意ください。)

2. 美白用の飲み薬

 言わずと知れたビタミンCに加え、抗酸化作用が強く、血行を良くするビタミンE、ハイチオール(*1)、トラネキサム酸(*2)などが有効です。これにビタミンAも加えれば、代謝が促進され、効果が高まる可能性があります。

(*1)ビタミンCと協力してシミの原因となるメラニンの発生を予防したり、メラニンを無色化する
(*2)シミの原因であるメラノサイトを活性化するプラスミンをブロックする

3. 美白用の塗り薬

 ハイドロキノンを筆頭にビタミンC、トラネキサム酸などが代表です。

 最近ではルミキシルという成分も注目されています。美白剤の代表であるハイドロキノンはとても有名で、使用している方も沢山いらっしゃると思います。この成分はついた色を薄くする作用と黒くなるのを防ぐ作用があるので、治療と予防両方に使用できます。

 ただし、ハイドロキノンなどのメラニン生成を妨げる成分の使用には注意点があります。色のものとであるメラニンは皮膚を紫外線から守る作用がありますから、余計な部分にこのような美白剤を長期間塗布し続けると、このメラニンの防御作用が弱まり、紫外線から皮膚を守れなくなってしまうことになりますので、可能な限り部分的に、症状が改善したら使用を一旦中止すべきと私は考えます。

 ビタミンCは日本で最もポピュラーな美白成分と言っても過言ではないでしょう。美白を目指す方は、何かしらビタミンCの製品を使用したことがあるのではないでしょうか。この成分は比較的即効性が期待できます。ただし、メラニンの生成される表皮の基底層という場所まで届くかというと、皮膚から吸収されにくく(今は吸収されやすい形に改良されたビタミンC関連成分もあります)強い美白作用は期待できません。

 ビタミンCの利点としては、角質まで上がってきたメラニンの色を薄くする作用がありますから、表面的な色を取ることは可能と思います。ビタミンCはそのまま皮膚に塗布すると刺激が強い成分ですので、各社で様々に刺激を減らす工夫をしています。ビタミンCの化粧品で刺激を感じる方もいると思いますので、使用の際は注意をしてください。

 トラネキサム酸は最近耳にすることも多くなった成分です。もともとは肝斑の内服薬で有名になった成分ですが、炎症の後の色素沈着にも効果が期待できます。

 トラネキサム酸が美白に用いられるようになったのは、実はひょんなことから美白作用が確認されたからということをご存知ですか?

 もともと慢性の蕁麻疹の方でトラネキサム酸を内服していた際に、肝斑が薄くなったことから、その美白作用が注目されるようになったのです。トラネキサム酸は炎症も抑える作用がありますから、赤い炎症があるニキビの段階から使用するのもオススメです。

 そのほかに直接メラニンの色を薄くしたりする作用ではありませんが、レチノイン酸やレチノールというビタミンAの外用剤も有効です。私は、色素沈着の治療にはこの成分を必ずオススメしています(一部、使用できない方もいますので医師にご相談ください)

著者について

秋葉原スキンクリニック院長 堀内 祐紀

秋葉原スキンクリニック院長 堀内 祐紀

東京女子医科大学出身。東京女子医科大学病院、都内美容皮膚科クリニック勤務を経て、2007年4月に秋葉原スキンクリニックを開院。
(所属学会)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本脱毛医学会理事
日本皮膚科学会・日本美容皮膚科学会・日本レーザー医学会・日本肥満学会・日本抗加齢医学会・日本香粧品学会 所属
Allergan Medical Institute Jpan Trainer
Aケア協会アドバイザー