その他 赤み・肌荒れ

やけどになってしまったら。やけどの種類と対処法をご紹介します。

やけど

こんにちは。秋葉原スキンクリニック 副院長の矢田佳子です。

これから夏にかけて日焼けの多い季節になりますが、日焼けはひどくなると、水ぶくれになることもあります。実はこれ、やけどになっている状態です。

以前このことは、少しだけ皮膚オタ通信でご紹介しました

 

やけどは早い対処が必要です。

対処が遅れたり、治療を間違えると重症化してしまう場合もあります。

 

今回は、もう少し詳しくやけどについて解説させていただき、対処法や、傷痕が残ってしまったときの治療法についてもお話しようと思います。

 

やけどとは

やけど

やけどは「熱傷」と呼ばれ、熱によって皮膚や粘膜に起こる障害のことです。

ほとんどの方が一度は経験するありふれたもので、日焼けで皮膚がヒリヒリしたり、水ぶくれができたりするのもやけどの一種です。

 

やけどの程度は、接触する温度と時間によって決まります。

熱湯や油、ホットプレート、アイロンなどの高温の物に触れた場合は、短時間でもやけどになります。

また、低温(45〜55℃くらい)の物でも、長い時間触れているとやけどになります。

これは、みなさんも耳にしたことがある低温やけどのことで、湯たんぽによるものが代表的です。

低温やけどは深いやけどになりやすいため注意が必要です。

 

やけどの種類(分類)

やけどの種類

やけどはその深さによって3つに分けられます。

I度・II度・III度というように表現され、熱傷深度と呼ばれています。

皮膚は、上から表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれており、これらの層のどこまでが障害されたかにより、I度・II度・III度と分類されます。

次に、それぞれの症状を説明していきます。

 

I度熱傷

I度熱傷は皮膚の表面(表皮)だけのやけどです。痛みはありますが、皮膚には赤みが出るだけの状態で、水ぶくれにはなりません。

特に治療をしなくても傷跡を残すことはありませんが、ステロイド外用剤などの炎症を抑える作用のある薬を塗ることで早く治すことが可能です。

II度熱傷

Ⅱ度熱傷は、表皮に加え真皮にまで障害が及んでいる状態で、水ぶくれができるのが特徴です。

II度熱傷は、深さによってさらに2つに分類され、浅いもの(浅達性II度熱傷)と深いもの(深達性II度熱傷)に分けられます。

 

浅達性II度熱傷は、水ぶくれがやぶれると傷(びらん)になり、たいていの場合痛みを伴います。

治療にもよりますが1-2週間で治ります。

一時的な色素沈着は残りますが、多くは傷跡を残すことはありません。

 

深達性II度熱傷は、傷が深い皮膚潰瘍となるため、適切な治療を受けても治るのに1ヶ月以上かかることが多く、浅達性II度熱傷よりも治療に時間を要します。

また、痛みを感じる神経が障害されることで、痛みを感じにくくなる場合もあります。

真皮の深い部分まで障害を受けるため、ほとんどの方で傷跡が残ります。

 

III度熱傷

III度熱傷は、皮膚だけでなく皮下組織まで障害が及んでいる状態です。

水ぶくれは出ず、皮膚が白っぽくなったり黒っぽくなったりします。

痛みを感じる神経まで損傷されているので、多くは痛みを感じないのが特徴です。

 

III度熱傷の治療はII度熱傷よりさらに治療に時間がかかり、傷跡は必ず残ります。

植皮術などの外科的治療が必要になる場合もあります。

 

重症度は、赤みや水ぶくれなどの皮膚の状態、痛みの有無などで判断しますが、やけどは時間とともに進行することもあり、みなさまが見た目だけでやけどの状態を判断するのは難しいと思われます。

安易に自己判断せず、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

 

やけどの正しい対処法

やけどをした場合はすぐに流水で冷やしてください。

やけどを起こしたら、初期はまず冷やすことが第一です。

冷やすことでやけどの進行を抑え、痛みもやわらぎます。15-30分くらいを目安に冷やすと良いと思います。

水ぶくれができている場合は、できるだけ破らないようにしましょう。

 

衣服の上からやけどをしてしまった時は、衣服の上から流水やシャワーをかけて冷やすようにしてください

あわてて脱ぐと水ぶくれが破れてしまうこともあるからです。

 

患部は冷やしながら早めに皮膚科を受診し、治療を始めるようにしてください。

皮膚科では、やけどの深さに合わせ、ステロイド外用剤や抗潰瘍剤、抗生剤などを組み合わせて治療していきます。

 

重度のやけどで植皮術などの外科的治療が必要と判断した場合は、形成外科に受診していただく場合もあります。

早期に適切な治療を始めることが、やけどの進行を抑え、傷跡を最小限にすることにつながります。

 

治療を受けないと、炎症が進行したり、細菌感染が起きたりして、やけどが深くなってしまうことがあります。

そうなると治るまでに時間がかかり、傷跡も残りやすくなります。

 

やけどは甘く見ず、早めに医師のもとで適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

 

傷痕が残ってしまったときの治療法

やけどの傷痕の状態は、そのやけどの深さにより変わります。

残念なことに、I度熱傷以外のやけどは、適切な治療をしても痕が残ってしまうことがあります。

 

浅いやけど(浅達性II度熱傷)でできた傷は、赤みや黒ずみ(炎症後色素沈着)になります。通常は数ヶ月で改善していきます。

深いやけど(深達性II度〜III度熱傷)でできた傷は、傷跡(瘢痕)となり、完全になくならない場合もあります。

傷跡はひきつれた状態になったり、赤く盛り上がった状態(肥厚性瘢痕・ケロイド)になることもあります。

 

やけどが浅い場合

当院では、浅いやけど(浅達性II度熱傷)の場合は、やけどの炎症がおさまりびらんなどの傷が治った後から、ビタミンAの外用をお勧めしています。

ビタミンAを使うことにより、皮膚のターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)を整え、炎症により増えてしまったメラニン色素の排泄を促し、色素沈着を早く改善することができます。

また、ビタミンAは皮膚の中にあるコラーゲンやヒアルロン酸を増やす作用もありますので、傷跡の改善を早める効果も期待できます。

 

やけどが深い場合

深いやけど(深達性II度〜III度熱傷)は、傷が治ったあとも、傷跡(瘢痕)は残ります。

時間とともに目立たなくはなりますが、完治させることは難しい状態です。

 

当院では、傷跡(瘢痕)にはダーマローラーなどのニードリングケアをお勧めしています。

皮膚に目に見えないくらいの小さな穴を無数に開けて、その刺激により自然な創傷治癒の過程を人為的に作り出し、新しい肌に置き換える治療法です。

また、ビタミンAの外用も併用し、効果を高めるようにしています。

 

しかし傷跡は、赤く盛り上がった状態(肥厚性瘢痕・ケロイド)になることもあり、その場合は、ステロイド軟膏やテープ剤の外用や、サポーターやシートなどで圧迫する治療が有効です。

ひきつれなどの症状が強いときには、手術による治療が必要となることもあり、形成外科などの専門医への受診をお勧めする場合もあります。

 

やけど治療で大切なこと ーまとめー

やけどとひとくくりで言っても、重症度により治療は変わりますので、早めに医師の診察を受けることが必要です。

やけどをしてしまった場合は以下のように対処をしてください。

 

1.やけどを起こしてしまったらまずは冷やすこと(15〜30分)。
2.患部を冷やしながら医療機関を受診し、早めに治療を始めること。
3.やけどが治ったあとは、紫外線を避け、ビタミンA外用などのアフターケアをして、傷跡を最小限にとどめるようにすること。(ビタミンAによるケアについては次回の記事で詳しくご説明します。)

 

そして、もっとも大切なことは、やけどをしないことです!

やけどの原因となりやすい熱湯や油、ヘアアイロンや暖房器具は、十分に注意をして扱いましょう。

炊飯器やポット、アイロンは小さなお子さんの手の届かないところで使う、熱湯の入ったコップなどは不安定なところに置かない、お風呂は手で温度を確かめてから入る、など、注意すれば予防はできます。

 

また、低温やけどを起こさないために、湯たんぽを使う時は、寝る前に布団の中に入れておき、寝る時は布団から出す、電気毛布やホットカーペット、こたつを使用したまま眠らない、などに注意しましょう。

 

それではまた次回の記事で…

著者について

秋葉原スキンクリニック 医師 矢田 佳子

秋葉原スキンクリニック 医師 矢田 佳子

秋葉原スキンクリニック副院長
東京女子医科大学出身。東京女子医科大学病院、都内や地元静岡の皮膚科勤務を経て、2007年4月より、秋葉原スキンクリニック勤務。
(所属学会)日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会所属
院長堀内より
丁寧なカウンセリングと細やかな治療がモットー。仏のような広い心と忍耐強さ、包容力がすばらしいDr.です。悩める方は矢田Drへ。と患者様だけでなくスタッフからも絶大な信頼を得ています。